農林水産省の新しい事業に「マルシェ・ジャポン・プロジェクト」というのがある。
いったいどんな事業なの?
「農林水産省は、大都市における農産物の直売を支援するため、公園などを活用し、テントなどの仮設施設による直売事業(マルシェ)の運営に対して運営経費の助成を行います。」(農水省HPより)
「マルシェ」とはフランス語で「市場」。「ジャポン」は「日本」。つまり英語で言うと「マーケット・ジャパン・プロジェクト」のこと。英語でも意味わからんのに、なんでフランス語と英語を混ぜた名前にしたんだろう。
マルシェと言えば某食品メーカーのカレーを思い出すくらいで、日本では一般的な外来語としては認知されていないと思うんだけど。まあ、いいや。
さて、農水省によるとこのプロジェクトの狙いは、
(1)経済危機対策であること
(2)農水産業の活性化と所得向上
(3)生産者と消費者を直接結びつけることによるマーケティング力の向上
(4)都市に新たな文化と潤いの空間を創造し、地域コミュニティーの活性化
等が掲げられている。
そしてこのプロジェクトを運営する事業者を今年5月に募集し、今回それが決まったとのこと。(農水省HP)
全国事業者については「株式会社ぐるなび」。マルシェ運営者は「株式会社トライ・ビー・サッポロ・札幌市」「万代にぎわい創造株式会社・新潟市」「TBSテレビ・東京」「株式会社マインドシェア・東京」「株式会社野菜ビジネス・東京」「森ビル株式会社・東京」「株式会社エヌケービー・横浜市、川崎市」「マルシェ・ド・大阪テロワール実行委員会・大阪市」「東果大阪株式会社・大阪市」「株式会社西日本新聞社・福岡市」が選定された。
今回の運営ルールは、場所はオープンスペースであること、店舗は仮設設備で行うこと、同一場所での連日販売は2日を限度とすること、年間110日以上営業すること、開催地域は政令指定都市と同等の都市で行うこと、基本的に国産農産物を扱い価格は出荷者(生産者)が設定し販売員が対面販売を行うこと、などとある。
会場選定経費、生産者等出店者募集経費、テント等設備リース料、広報費、毎回の設営・撤去費、会場借料などについて、必要な経費を全額助成(1マルシェ当たり1億2千万円を上限)するらしい。
パリやニューヨークなどで行われている生産者による朝市(マルシェ)を想定して、日本の大都市でもそういうシステムを定着させようということらしいが、はたしてどうなのだろうか。
日本では朝市と言えば、産地に近い地方都市で行われていることが多い。また現在、地方において道の駅などJAが中心になったものやプライベートのものも含め"農産物直売所"が盛んに作られており、そこそこ好調のようだ。
このように、現状としては自分たちの農産物の魅力を武器に地方が都市圏の消費者を買い物や観光を兼ねて誘致しようとしている方向で動いていると思う。その中で今回の「マルシェ・ジャポン・プロジェクト」は全く逆の提案をしているのだろうか。
例えば、東京や大都市のデパートの催場で短期間に行われる「北海道物産市」は理解できるが、今回のプロジェクトは産地(生産者)と消費地(消費者)を結びつけるとは言っても、長距離輸送を前提にしたものではないだろう。
生産者が「自分で価格を設定したい、こだわって作った自慢の野菜で消費者が喜ぶ顔を見たい、さらには収入をアップさせたい」ということを狙っているのであれば、マルシェが開催される場所へ自分で農産物を直接持ってきて配送費を省いて、頻繁に売り場を直接見て、買い手の声を直接聞くことなどが重要となるだろう。
そうなると出店するのは、マルシェが開催される政令指定都市などの近郊の生産者に限られてくるのではなかろうか。
例えば、鹿児島や宮崎の生産者が福岡市で開催されるマルシェに出店することは今回の本来の趣旨からは外れるだろうと思う。
その昔、青果市場や魚市場を整備してきて国民への食糧の安定供給を維持することに国は力を入れてきたわけだが、現在世の中は”産直”や”市場外流通”という言葉がもてはやされて来ている。
"今農業が熱い"、"農業は労働力不足"、"食糧自給率のアップ"、"安心・安全な食べ物"、"日本の農業は危機的状況"などのキーワードが氾濫している中で、どうにか日本の農業や農産物や食糧問題を解決しなければならい、という風潮があるのは確かだ。
今回の「マルシェ・ジャポン・プロジェクト」は、単に農水省がそういうブームに乗って、人と物と管理能力を持っている大手流通会社を使って、新たな”市場流通”を作ろうとしているだけに見えて仕方ないのだが・・・。
こういう企画やルール作りは、本来、産地や流通業者の独自な発想で全国各地で自発的に花火の様に打ち上がって来るべきもので(実際そういう動きはある)、国が旗を振るだけでなく具体的にバスまで用意して、それに参加者を乗せてどこか観光地に連れて行くようなことをするべきことではないと思うのだが・・・。
いままで農産物の流通において、産地と消費者を結ぶ仕事をコツコツとしていた多くの会社にとってみれば、なんか釈然としない感覚が残るのはうちだけではないと思うのだが・・・。
いかがなものだろうか。
いったいどんな事業なの?
「農林水産省は、大都市における農産物の直売を支援するため、公園などを活用し、テントなどの仮設施設による直売事業(マルシェ)の運営に対して運営経費の助成を行います。」(農水省HPより)
「マルシェ」とはフランス語で「市場」。「ジャポン」は「日本」。つまり英語で言うと「マーケット・ジャパン・プロジェクト」のこと。英語でも意味わからんのに、なんでフランス語と英語を混ぜた名前にしたんだろう。
マルシェと言えば某食品メーカーのカレーを思い出すくらいで、日本では一般的な外来語としては認知されていないと思うんだけど。まあ、いいや。
さて、農水省によるとこのプロジェクトの狙いは、
(1)経済危機対策であること
(2)農水産業の活性化と所得向上
(3)生産者と消費者を直接結びつけることによるマーケティング力の向上
(4)都市に新たな文化と潤いの空間を創造し、地域コミュニティーの活性化
等が掲げられている。
そしてこのプロジェクトを運営する事業者を今年5月に募集し、今回それが決まったとのこと。(農水省HP)
全国事業者については「株式会社ぐるなび」。マルシェ運営者は「株式会社トライ・ビー・サッポロ・札幌市」「万代にぎわい創造株式会社・新潟市」「TBSテレビ・東京」「株式会社マインドシェア・東京」「株式会社野菜ビジネス・東京」「森ビル株式会社・東京」「株式会社エヌケービー・横浜市、川崎市」「マルシェ・ド・大阪テロワール実行委員会・大阪市」「東果大阪株式会社・大阪市」「株式会社西日本新聞社・福岡市」が選定された。
今回の運営ルールは、場所はオープンスペースであること、店舗は仮設設備で行うこと、同一場所での連日販売は2日を限度とすること、年間110日以上営業すること、開催地域は政令指定都市と同等の都市で行うこと、基本的に国産農産物を扱い価格は出荷者(生産者)が設定し販売員が対面販売を行うこと、などとある。
会場選定経費、生産者等出店者募集経費、テント等設備リース料、広報費、毎回の設営・撤去費、会場借料などについて、必要な経費を全額助成(1マルシェ当たり1億2千万円を上限)するらしい。
パリやニューヨークなどで行われている生産者による朝市(マルシェ)を想定して、日本の大都市でもそういうシステムを定着させようということらしいが、はたしてどうなのだろうか。
日本では朝市と言えば、産地に近い地方都市で行われていることが多い。また現在、地方において道の駅などJAが中心になったものやプライベートのものも含め"農産物直売所"が盛んに作られており、そこそこ好調のようだ。
このように、現状としては自分たちの農産物の魅力を武器に地方が都市圏の消費者を買い物や観光を兼ねて誘致しようとしている方向で動いていると思う。その中で今回の「マルシェ・ジャポン・プロジェクト」は全く逆の提案をしているのだろうか。
例えば、東京や大都市のデパートの催場で短期間に行われる「北海道物産市」は理解できるが、今回のプロジェクトは産地(生産者)と消費地(消費者)を結びつけるとは言っても、長距離輸送を前提にしたものではないだろう。
生産者が「自分で価格を設定したい、こだわって作った自慢の野菜で消費者が喜ぶ顔を見たい、さらには収入をアップさせたい」ということを狙っているのであれば、マルシェが開催される場所へ自分で農産物を直接持ってきて配送費を省いて、頻繁に売り場を直接見て、買い手の声を直接聞くことなどが重要となるだろう。
そうなると出店するのは、マルシェが開催される政令指定都市などの近郊の生産者に限られてくるのではなかろうか。
例えば、鹿児島や宮崎の生産者が福岡市で開催されるマルシェに出店することは今回の本来の趣旨からは外れるだろうと思う。
その昔、青果市場や魚市場を整備してきて国民への食糧の安定供給を維持することに国は力を入れてきたわけだが、現在世の中は”産直”や”市場外流通”という言葉がもてはやされて来ている。
"今農業が熱い"、"農業は労働力不足"、"食糧自給率のアップ"、"安心・安全な食べ物"、"日本の農業は危機的状況"などのキーワードが氾濫している中で、どうにか日本の農業や農産物や食糧問題を解決しなければならい、という風潮があるのは確かだ。
今回の「マルシェ・ジャポン・プロジェクト」は、単に農水省がそういうブームに乗って、人と物と管理能力を持っている大手流通会社を使って、新たな”市場流通”を作ろうとしているだけに見えて仕方ないのだが・・・。
こういう企画やルール作りは、本来、産地や流通業者の独自な発想で全国各地で自発的に花火の様に打ち上がって来るべきもので(実際そういう動きはある)、国が旗を振るだけでなく具体的にバスまで用意して、それに参加者を乗せてどこか観光地に連れて行くようなことをするべきことではないと思うのだが・・・。
いままで農産物の流通において、産地と消費者を結ぶ仕事をコツコツとしていた多くの会社にとってみれば、なんか釈然としない感覚が残るのはうちだけではないと思うのだが・・・。
いかがなものだろうか。




