リーマンショック以来、職を失った人達の雇用先として農業界への期待が大きいようですね。

 食料自給率をアップさせるための政府のプロパガンダの影響なのでしょうか、最近、テレビや雑誌等のマスメディアでも、「これからは農業の時代だ!」みたいなことが頻繁に大きく取り上げられてますね。


・・・はたして、そうでしょうか?


 リーマンショック以後、農業界で何かが変わったのでしょうか?儲からない上に3Kの現場だった農業の実態が何か変わったのでしょうか?大勢の人がそこに押し寄せて来れば、農業が変わるのでしょうか?サラリーマンだった人に、サラリーがない農業ができるのでしょうか?


・・・どう思われますか?


 農業が抱えている問題はそんな簡単に解決できることではないと思います。その程度だったら、とっくに解決していると思いますよ。


 大きくして儲かる農業もあるでしょう。大きくして失敗する農業もあるでしょう。大きい農業をやっていくのなら、農家は技術者でありながら、経営者でなければなりません。そんなすごい人、滅多にいませんよ。

 補助金をもらっても、農業経営は大変ですよ。50%の補助金をもらうということは、それと同額の借金を背負うという事ですからね。1億円かかる農業事業を補助金もらって5,000万円で始められたとしても、その事業が5,000万円だと採算取れるという保証は何もありませんよ。ただでもらえるお金なんてありませんからね。


 栽培管理を徹底させて、生協へ販売すれば大丈夫でしょうか?・・・注文数量に応じて出荷体制を整えるのは大変ですよ。残留農薬問題で取引停止になるかもしれませんよ。

 加工用の契約販売を実現すればそれで大丈夫なのでしょうか?・・・出荷量が大きいため欠品すると大変ですよ。量を確保するために地元の仲間をまとめて不公平にならないように豊作の時も凶作の時も数量を調整するのは大変ですよ。

 地元の道の駅などの直売所へ卸せば大丈夫でしょうか?・・・袋詰めや出荷作業が大変ですよ。値付けの方法も大変ですよ。地元の他の生産者が競争相手になるんですから、結構ツライものがありますよ。

 縛られるのが嫌なんで、作業や畑の都合に合わせて出来た数量だけを市場や農協に出荷していれば楽でしょうか?・・・相場次第で販売価格が変動するので生活が安定しませんよ。


 というか、そもそも天気や気候次第で畑からどんな商品がどれくらい出てくるのか毎年ドキドキですよ。販売先は契約してくれても、お天道様は契約してくれませんからね。


 さあ、これでも貴方は農業の世界に飛び込めますか?「やり方次第ではやれるんだ」という人は、まずは前述の僕の問題をぶち壊すだけの答えを自分なりにまとめられることをお薦めします。


 とか、言いながら、うちの会社ではまだまだ諦めてないからこの世界にいるんですけどね。問題と解決、対策と失敗、ひらめきと挫折、そんなことの連続の日々です。農家だけでは出来ない事、流通業者だけでは出来ない事、実需者だけではできないことを作り上げようとしてるんです。

 野菜がつないで行く社会を何とか作りたいんです。つまりベジタブル・ネットワークですね。それが「ベジネット」の名前の由来ですから。