民主党が政権をとって数週間。国の政策立案に関する権限を官僚から政治家が取り戻すための作業が始まっている。

 さあ、どこまで官僚制度を改革できるか、改革したことによる作業をこなせるだけの政治家が民主党にいるのか、どこまで無駄を削減できるのかなど、国民の期待と不安は相当膨らんでいる。なんであれ民主党は大変なモノを背負ってしまった気がする。

 特に、財源の根拠として民主党が常に説明している"無駄使いの削減"だが、何が無駄かという判断は国民から見た時に、その人の立場や業種や環境によって、自分の懐(ふところ)に影響することが全く違うので、大多数の国民を納得させるのは、なかなか一筋縄ではいかないだろう。


 農業に関して見ると、民主党政権になってどう変わっていくのだろうか。自民党政権の場合は、来たる農業の自由化・国際化の時代に向けて、国内農業をそれに対抗できる強い農業にするために、小規模農家の切り捨てなどと批判されながらも、「大規模化」「企業参入」「農商工連携」を推進していくことが明確だった。

 では、民主党はどうだろう。民主党がこれから日本の農業をどういう方向に持って行きたいか見ていく場合、僕は下記項目を注視していくことで確認していこうと思っている。

 (1)戸別補償制度の対象品目と基準となる農家の規模はどうなるか。
 (2)FTA(自由貿易協定)においてどこまで突っ張るか。
 (3)減反政策の方向転換は行うのか。
 (4)補助金の出し方はどうなるのか。
 (5)企業参入に関する法律や農地法などの改正はどうなるのか。
 
この辺りを見ていれば、自民党政権との違いがハッキリとして、将来的な方向が見えてくるのではないだろうか。


 ちなみに、民主党のマニフェストを見ると、31番目と32番目に農業に関する項目が出てくる。参考までに引用しておく。

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31.戸別所得補償制度で農山漁村を再生する
【政策目的】
○農山漁村を6次産業化(生産・加工・流通までを一体的に担う)し、活性化する。
○主要穀物等では完全自給をめざす。
○小規模経営の農家を含めて農業の継続を可能とし、農村環境を維持する。
○国土保全、水源かん養、水質浄化、温暖化ガス吸収など多面的な機能を有する農山漁村を再生する。
【具体策】
○農畜産物の販売価格と生産費の差額を基本とする「戸別所得補償制度」を販売農家に実施する。
○所得補償制度では規模、品質、環境保全、主食用米からの転作等に応じた加算を行う。
○畜産・酪農業、漁業に対しても、農業の仕組みを基本として、所得補償制度を導入する。
○間伐等の森林整備を実施するために必要な費用を森林所有者に交付する「森林管理・環境保全直接支払制度」を導入する。
【所要額】
1.4兆円程度

32.食の安全・安心を確保する
【政策目的】
○国民が安全な食料を、安心して食べられる仕組みをつくる。
○食品安全行政を総点検する。
【具体策】
○食品の生産、加工、流通の過程を事後的に容易に検証できる「食品トレーサビリティシステム」を確立する。
○原料原産地等の表示の義務付け対象を加工食品等に拡大する。
○主な対日食料輸出国に「国際食品調査官(仮称)」を配置して、輸入検疫体制を強化する。
○BSE対策としての全頭検査に対する国庫補助を復活し、また輸入牛肉の条件違反があった場合には、輸入の全面禁止等直ちに対応する。
○食品安全庁を設置し、厚生労働省と農林水産省に分かれている食品リスク管理機能を一元化する。併せて食品安全委員会の機能を強化する。
【所要額】
3500億円程度
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