農水省による平成21年2月1日現在の調査資料を見て、国内農業における構造動態はどうなっているのかをまとめてみた。


■農家戸数

 全国の販売農家数は、170万戸(前年比▲2.9%)で、このうち、主業農家が約34万戸(同▲5.5%)となっており、全販売農家数の20.3%である。

 販売農家数も主業農家数も、ここ数年3%〜5%程度ずつ減少してきている。

 ちなみに、「販売農家」とは、30a以上又は年間の農産物販売金額が50万円以上の農家のこと。
 また、「主業農家」とは、農業収入が農外収入より多く、かつ65歳未満の農業従事60日以上の者がいる農家のこと。
 つまり、「主業農家」は「販売農家」のうちの一部としてそれに含まれる。


■年齢別農業従事者数

 農業従事者数は、平成17年は224万人だったが、平成21年では191万人まで減少している。

 そのうち、70歳以上が45.5%、65〜69歳が15.0%、60〜64歳が12.1%となっている。

 つまり、60歳以上をまとめて考えると、72.6%となるのである。65歳以上でも60.5%である。

 平成17年時点での60歳以上は約70%。さらに遡って昭和50年時点での60歳以上は30%余りだった。いかに日本の農業人口が高齢化しているかは明らかである。


■耕地面積

 販売農家1戸当たりの経営耕地面積は、北海道以外では 1.41ha(前年比+2.2%)、北海道では 20.5ha(同+2.0%)となっている。

 主業農家1戸当たりでみると、北海道以外では 2.9ha(同+4.3%)、北海道では 28.87ha(同+3.6%)となっている。


■借入耕地

 販売農家1戸当たりの経営耕地に占める借入耕地は、北海道以外では 24.8%、北海道では 19.6%となっており年々増加傾向である。

 これを主業農家で見てみると、北海道以外では 39.9%、北海道では 20.1%となっておりこれも増加傾向である。


■生産作物別の農家数

 販売農家で見てみると、稲作52.5%、果樹類8.3%、露地野菜5.1%、畑作3.3%、施設野菜3.2%、肉用牛1.8%、酪農1.1%、その他単一3.0%、準単一複合経営16.5%、複合経営5.1% となっている。

 これを主業農家で見てみると、稲作16.2%、果樹類12.2%、施設野菜9.3%、露地野菜7.8%、畑作4.6%、酪農4.3%、肉用牛3.2%、その他単一8.4%、準単一複合経営23.8%、複合経営10.1% となっている。

 主業農家になると、稲作の割合が極端に減っている。販売農家というものの、副業的に農業を営んでいる人は稲作を中心に生産していることがよくわかる。

 販売農家に占める主業農家の割合が高いのは、酪農88.2%、施設野菜64.0%、などで逆に稲作は6.9%と一番低い。つまり稲作農家は、小規模農家の割合が高いということである。


■まとめ

 ここ数年の動向を見てみると、農家数は減少しているが、1戸1戸の面積は少し大きくなってきているということがわかる。これは零細農家が農業を辞めたり、高齢化でリタイアしたことも想像できる。

 また借入耕地を増やして経営耕地面積を増加させている傾向にあることも判断できる。

 さらに、この動向は自民党政権が行ってきた「大きな農業・強い農業・法人化・集団化・企業の参入」などの推進や法制度の影響が反映されたものだと思う。

 民主党が掲げている「戸別所得補償制度」は、まずは稲作農家から補償をスタートさせていくらしい。これは、農業に生活の中心をおいている主業農家を助けるよりも、広く浅く販売農家にお金を配ることを考えているということになる。

 自民党政権から大きく方向転換された民主党政権の政策によって、今後の農業動態がどう変化するか注意深く見守りたい。



平成21年農業構造動態調査結果の概要(H21年2月1日現在)(農林水産省 大臣官房統計部 H21年6月30日公表)の数字を引用または参考にしています。