「ゴールドラッシュ」をもじって「ランドラッシュ」というらしい。農地を求めて世界を駆け巡る競争のことだ。今夜放送されたNHKスペシャル「ランドラッシュ〜世界農地争奪戦〜」は興味深かった。

 放送内容を簡単にまとめながら、コメントしたい。

 2050年には世界の人口が90億人を突破して、食糧が25%不足すると見込まれているそうだ。あと40年で世界の人口が1.5倍になるというのだ、食糧が不足するというのは感覚的にも理解できる。

 それへ向けて、インド、中国、韓国などの国々が、小麦、大豆、とうもろこし等の確保を求めて未開発で肥沃な土地が豊富にあるというウクライナ地方やロシア沿海地方に、収穫物の買い付けや借地の契約に向けて積極的に乗り出しているという。

 日本の農水省も食料安全保障チームを組んで、大手商社とともに官民一体で調査を開始しているが、完全に出遅れている状況だ。
 日本では、海外に食糧や農地を求めて進出することより、現段階では食料自給率を上げるために、国内の農地を開発し、国内農産物の生産と消費の増加を目標とした政策に力を入れているので、ランドラッシュの対応とはある意味真逆の方向を向いている。

 今の日本では、はっきり言って農産物はモノ余りの状態でその価格は安値安定傾向が続いている。これは海外から安く入ってくる農産物が支えている。さらに日本はこれから人口減少の時代に突入してくる。2050年には9,100万人まで減少する見込みだ。しばらくは食糧余りの状況は続くだろう。

 しかし、世界的に食糧が不足することは明らかだ。極端な話、食料自給率40%の現状で、輸入農産物が全く入って来なくなったとしよう。荒っぽく言えば食糧が60%減少するということだ。
 それまでに日本は国内産の食糧を確保することだけやっていれば良いのか、それともランドラッシュの流れに乗って海外にもその手当を求めて動くのか。政府や大手商社にとってみたら重要な判断に迫られていることは間違いないようだ。

 どちらにしろ、我が社の様に国内農産物の出荷を生業としている人間にとっては、さらに国内農業の安定出荷と強い国内農業の育成に注力して行くことは、例え将来的に世界食糧危機が訪れたとしても、間違いではないようだ。